矯正治療後先天的欠損部にインプラント埋入し5年経過した症例

インプラント埋入後メンテナンス期に入った患者様の経過をお伝えしていきます。

こちらの患者様は上顎の前歯が対称的に2本欠損があり、最初の来院は今から20年前でした。

当時14歳の患者様にまず

① 欠損部位のスペースを確保する

② 前歯だけでなく全体の咬み合わせの治療を行う

という治療計画を立てて矯正治療を開始しました。

来院時

テスト883 

 

矯正治療終了時

テスト884

上顎側切歯2本分のスペースを確保しましたが患者様の年齢が10代という事で顎骨の成長が落ち着くまでインプラント埋入は待つ事になりその間は隣の歯とつなげた被せをセットしました。

欠損スペースに被せが入った状態

アドブリッジ

 

裏側

IMG_3615

エックス線写真(白く映っている所がつながった被せです)

2010.01.21

 

この時点から歯肉の腫脹などの炎症症状が起きないようにフロス等を使用して良好な歯周状態を作っていく事はインプラント埋入前からの絶対条件になります。

矯正治療終了後から10年後インプラント埋入手術を行いました。

最終上部構造セット直後

ファイナルセット時

仮の上部構造の段階から歯ブラシの毛先をあてる部位や動かし方、フロスの練習も患者さんと一緒に行っていたので歯肉状態は良好でスムーズに最終上部構造セットへとすすみました。

 

5年後です。歯垢が赤く染まる染色液を塗布し磨き残りの確認を行いました。最近はフロスをしない日もあるとの事で今回のメンテナンスを機に再開していただき、メンテナンスでもフロスを使用しました。また肉眼では見えないデンタルバイオフィルム(歯周病原細菌を含んだ細菌の巣窟)を専用の器械を用いて除去しました。出血や動揺も認められず良好な状態を維持されています。

5年後

 

最終上部構造セット後から5年、初診時からは21年が経過し生活環境の変化もありながらきちんとメンテナンスに通って下さってます。その間1本も天然歯を抜髄(歯の神経を除去する治療)や抜歯する事無く安定した咬み合わせをキープされていて食事や発音に全く違和感が無いとの事です。