フロスが習慣になりインプラント埋入後4年が経過した症例

左上の奥から3番目の歯に被せが入っていたのですが歯の根が割れてしまった為

抜歯をする事になりました。

初診時パノラマX線写真

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抜歯後の治療方法としてインプラントを希望されました。

ところが抜歯をしたところ両隣の歯の接していた面に初期虫歯が発見されました。

 

治療前

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歯がある状態だと御自身ではまず気が付かない部位です。

幸いとても浅いむし歯で神経への影響も認められなかった為すぐに

治療を行いました。

治療後

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こちらの患者さまはインプラントの相談で初めて白数デンタルオフィスに

来院して下さったのでそれまでのセルフケア状況が不明でした。

インプラントを行うにあたり日頃の歯面清掃方法を確認するとフロス(糸ようじ)での

隣接面のプラーク除去行っていませんでした。

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このお手入れはインプラント患者様には特に習慣にして頂きたいケアです。

フロスは柄のついた物や糸だけを切って使うタイプの物など色々な種類の

物があります。

必要なのは「続けられる物」を選択することです。

 

 

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白数デンタルオフィスの患者様に人気のフロスはこちらの「ルシェロ フロッサー」です。

 

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柄が長いので奥歯や中間歯にも簡単に挿入出来る事とフロス部の角度が

調節出来る事が特徴です。

 

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こちらの患者様にはこのルシェロ フロッサーでインプラントの両隣接面と

他の天然歯部の隣接面の歯垢除去を毎日のケアに加えていただきました。

 

3年が経過した時の裏側からの写真

腫れや出血も無く綺麗な歯肉が作られています。

フロスも習慣になってきました。

 

2015.08.28

 

上部構造セット後4年経過

16.6.13

 

16.6.13

4年が経過しても「最初から自分の歯だったように」何でも噛めています。

現在では月に1度メンテナンスに来院されています。

矯正治療後インプラント埋入し初診時から5年経過した状態

上部構造セット後3年が経過している患者様です。

初診時は右上には部分義歯が入り、他の欠損部には両隣接歯とつなげた

ブリッジがセットされていました。

初診時パノラマX線写真

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口腔内写真

上顎前歯の歯と歯肉の境目が縁取り状に赤みを帯びて腫脹している事が

認められます。

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セルフケアを怠っているというわけではないのですが過去の治療での充填物との

段差や歯列不正が歯肉に炎症を起こすリスクになっています。

インプラント埋入にあたり

①正しい咬み合せと顎の位置にする為に矯正治療を行う

②セルフケアの見直しで歯肉の炎症を改善する

という計画を立てました。

 

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矯正治療終了後

欠損部だったところにインプラントの仮の上部構造が入りました。

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しかしまだ歯肉の発赤が残っている為フロス(糸ようじ)のケアを毎日行って

いただけるように練習しました。

 

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おすすめしたのは「ルシェロ フロッサー」

サイズは少し細めのSサイズです。

こちらは当院の患者様に大人気です!

 

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使いやすい特徴としては

・柄が長い

・チップの角度が変えられる

・MサイズとSサイズがあり隣接状態によって選択できる

 

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このフロスを鏡を見ながら全ての隣接接触面に通していただくようにしました。

もちろん毎日です!

最終上部構造セット後3年経過

右側

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左側

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今回のメンテナンスで初診時からは5年が経過しました。

初診時

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初診時から5年後

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咬み合わせ、インプラントともに安定されておりメンテナンスもずっと続けています。

先日のメンテナンスでは

「何でも噛める!!」

との感想もいただきました。

上顎洞底挙上術後1年が経過したインプラントに必ず必要なケア用品

上顎に3本、下顎に1本のインプラントを埋入された患者様です。

上顎は3本の埋入で4本分の上部構造をセットするブリッジタイプです。

一次手術後(上部構造はまだ装着しません)

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上部構造セット後1年経過

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1年経過した現在では感染の心配もなくしっかり顎骨とインプラント体が結合されています。

下顎インプラント

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上顎インプラント

連結されたブリッジタイプなので奥から3本目(向かって右から3本目)の被せは

上部構造のみでインプラント埋入はしていません)

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埋入部位が変わりますがこの様に「ポンティック」と呼ばれる両隣接のインプラントと

つなげて橋になるような被せがセットされています。

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この様に連結された上部構造にはフロス(糸ようじ)が入らない為、歯間ブラシを

使用して連結部位の歯垢除去を行います。

 

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歯間ブラシはまっすぐな直タイプと曲がりのある曲タイプとがあります。

こちらの患者様のメンテナンスでは奥歯にオススメの曲タイプを使用して

歯間清掃を行いました。

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直タイプ        曲タイプ

 

 

歯と歯の間をノコギリのように動かします。

同じ部位を何度も動かす事、歯肉をこすらないように歯間の接触点に当てる事が

ポイントです。

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歯間部の隙間の広さは部位によって違うのでメンテナンスの時にその患者様に

合った歯間ブラシを選択していきます。

こちらの患者様の場合は3Sタイプと2Sタイプの2種類の歯間ブラシにしました。

 

歯間ブラシ_4903301151173

 

歯間ブラシには細いワイヤーの周りにナイロンの毛が付いているので

やさしく洗って自然乾燥させましょう。

ワイヤーが折れたりブラシが毛羽立ってしまったら新しい物に交換してください。

 

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連結されたインプラントの歯垢除去には歯間ブラシは必須です。

2本の連結したインプラントをケアする方法

左上と右下の奥歯に部分義歯を装着されていた患者様、義歯の不快感に悩まれた結果

インプラントを埋入される事を決断されました。

インプラント埋入手術直後(まだ上部構造は装着していません)

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プロビジョナルレストレーション(仮の上部構造)がセットされた時点で歯垢が赤く染まる染色液を

塗布して磨き残りの確認をしました。

 

 

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上部構造と歯肉の境目とつながった2本の上部構造の間のくぼみに歯垢が残っています。

欠損期間が長かったので4本歯が増えたという事で磨き残りが出来てしまうのは

仕方ありません。が、このままの状態ではインプラント周囲炎への危険があります。

そこで歯垢除去が簡単に出来るおすすめアイテム、「ワンタフトブラシ」

の練習をしました。

 

yjimageプラウト

コーン型に毛先が束ねてあってコシもあります。

 

yjimage顎模型

 

歯肉との境目をなぞるように動かします。

この部位は歯肉の炎症を防ぐのにポイントになるところです。

 

 

one_brush-02歯頚部

 

届きにくい奥歯の奥も簡単に届きます。

 

yjimage臼歯遠心

 

咬み合せ部分の小さな溝にも歯垢が残っていましたがワンタフトブラシを直角

にあてて動かすだけで除去できます。

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仮の上部構造の段階でケア方法を見直して頂き、良好な歯肉状態が得られたので

最終上部構造セットへと進みました。

最終上部構造セット後半年経過

 

 

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今回の染め出し液の塗布では前回染色されていた部位への染色は無く、

とても大切にインプラントを磨いてくださっていました。

患者さまの協力があってこそインプラントは長持ちするのです。

抜歯即時埋入後継続したメンテナンスを行い良好な審美を維持している症例

今月で上部構造セット後3年が経過した患者様です。

当初被せが入っていた左上の前歯ですが歯の根が破折されており抜歯を行う事になった時、

その後の治療法として両隣の天然歯に負担のかからないインプラントを選択されました。

こちらの患者様はこれまでも定期的なメンテナンスに通われてた為口腔内環境が安定していたので抜歯した日に抜歯窩(抜歯した歯があったくぼみ)に直接インプラントを埋入する「抜歯即時埋入処置」を行いました。

 

破折した根の状態

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残根を抜歯した状態

くぼみが出来ます

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このくぼみに骨補填剤を填入しインプラントを埋入します。

 

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抜歯即時埋入処置は抜歯とインプラント埋入が1度で行えるため患者さんの負担も少なく抜歯窩に埋入する事で骨を触る量が少なくなるので術後の腫れや痛みが起こりにくくなる利点があります。今までのきちんとしたケアで感染リスクの少ない口腔内環境を作っておられたからこそスムーズに処置をすすめる事が出来ました。

 

上部構造セット後

 

ファイナルセット後

上顎の前歯は大変目立ちやすい部位なので歯肉に炎症症状が起きないように型取りの段階から口腔内全体のブラッシング指導を行っていきました。

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隣の歯もインプラントと同じ材質の被せに作り変えたので違和感も無く歯肉の形も綺麗です。

普段から歯ブラシ以外に歯間ブラシも使用されていらっしゃったので引き締まった良好な歯肉が出来ています。

3年後

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変わらず3ケ月に一度のメンテナンスも続けてくださっています。

歯ブラシはある程度「コシ」のある物を選びました。

横磨きに力を入れてしまうと歯肉が傷付きやすくなるので力加減に注意すること、縦磨きで隣接する天然歯との接触部位の凹みに溜まる歯垢を除去する事をお伝えしました。

歯ブラシは握り締めると力が入ってしまうので鉛筆を持つような持ち方で歯ブラシを握ります。

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「鉛筆持ち」で歯ブラシを握ると小刻みに動かしやすいので歯1本~2本づつ磨くようにブラッシングしていきます。なので全ての歯を丁寧に磨こうと思うと結構時間がかかるのです。時間がかけられない時もあると思いますが正しい磨き方を理解して習慣にしていく事でインプラントを長期維持する事が可能になります。

慌しく磨く「バタバタ磨き」が習慣になってしまうのは口腔内全体の環境を悪化させます。

今回の患者様は術前後もきちんと丁寧に磨かれた結果、安定を保たれている症例でした。

 

 

 

インプラント埋入後1年3ヵ月経過した状態

  30本の天然歯をお持ちで、全て神経がある歯(虫歯が進行すると神経を除去する事になり歯の寿命も短くなります)という理想的な歯牙をお持ちだったを患者様。

残念な事に転倒して前歯を負傷された為抜歯する事になりインプラント埋入を希望されました。

今回も抜歯窩(抜歯後の骨のくぼみ)に直接インプラント埋入する抜歯即時埋入法を行い術後は仮の歯をセットして

審美的配慮も考えながら治療をすすめていきました。

 

最終上部構造セット後1週間経過

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抜歯後の骨再生とインプラント体との結合もトラブル無く獲得できました。

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治療を進めていく中で一つの問題がありました。

こちらの患者様は歯周病が進行していて天然歯を支えている顎骨に影響が

及んでいたことがエックス線写真と歯周病の検査から認められたのです。

 

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歯と歯肉の隙間が深くなり歯石が付着し顎の骨を溶かしています。

そこでインプラント治療と同時に歯周病ケアも行っていきました。

歯科専用器具で歯石除去していきます。

患者様にとっては10年ぶりの歯石取りだったそうです。

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痛みも伴う歯周治療でしたがきちんと治療に通って下さいました。

 

1年3ヶ月後

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「問題なく噛めて嬉しい」とインプラントの快適さを実感されておられました。

 

 

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歯肉も引き締まっています。

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最終上部構造セット後は歯周外科治療も行い、現在では

「歯間ブラシは習慣になりました」

と、セルフケアでの意識も高くなられました。

被せ(ブリッジ)の欠損部にインプラント埋入後2年経過した状態

インプラント手術前は欠損部の両隣の歯とつなげたブリッジと呼ばれる被せが入っていました。

3本分つながっているので歯間部の清掃性も悪く、支えている2本の天然歯に大きく負担がかかる為リスク部位でした。こちらの患者様は今まで定期的なメンテナンスが定着されており顎骨の幅や高さの状態も良かったので欠損部にインプラント埋入手術を決められました。

術前

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 最終上部構造セット後 1年経過後

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全体の咬み合せのバランスも変わっていません。IMG_7537

半年に一度のインプラントメンテナンスではエックス線撮影で顎骨とインプラント体の結合状態を確認します。

また、インプラント部だけでなく全ての歯の歯面清掃を行います。インプラント部だけを清掃しても他の天然歯部に歯垢等の磨き残りがあると歯垢内の細菌が酸や毒素を発生しエナメル質を脱灰(歯の成分が溶け出してスカスカにさせる事)させたり歯肉に炎症症状を引き起こしてしまうので口腔内全体の環境が悪くなるのです。

 

口腔内写真で見ても自然な色と形態の上部構造です。

前歯の傾斜が気になられるとの事で部分矯正も行いました。

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2年経過後

前歯には保定のリテーナーワイヤーがセットされました。この部位は歯間ブラシをご自宅でも使用して歯間清掃していただくようにしました。

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最終上部構造セット後2年が経過しましたが定期的なメンテナンスにきちんと通ってくださり、ご自身でのセルフケアもレベルアップされています。

天然歯の場合、奥歯の根の部分は2根または3根なのですがインプラントは前歯でも奥歯でも1本の埋入なので奥歯の場合は特にフロスで歯肉と上部構造の隙間の歯垢を除去して細菌叢の形成を防がなくてはなりません。

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歯と歯の接触点の歯垢から口腔内細菌が増加し歯肉を腫脹させてしまいます。歯ブラシでも除去できない接触部位の清掃はフロスがおすすめです。

 

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2年経過後

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とても上手にケアを続けていらっしゃいます。

 

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2年経過しても咬み合わせも変わらず口腔内全体が良好な状態です。

矯正治療後先天的欠損部にインプラント埋入し5年経過した症例

インプラント埋入後メンテナンス期に入った患者様の経過をお伝えしていきます。

こちらの患者様は上顎の前歯が対称的に2本欠損があり、最初の来院は今から20年前でした。

当時14歳の患者様にまず

① 欠損部位のスペースを確保する

② 前歯だけでなく全体の咬み合わせの治療を行う

という治療計画を立てて矯正治療を開始しました。

来院時

テスト883 

 

矯正治療終了時

テスト884

上顎側切歯2本分のスペースを確保しましたが患者様の年齢が10代という事で顎骨の成長が落ち着くまでインプラント埋入は待つ事になりその間は隣の歯とつなげた被せをセットしました。

欠損スペースに被せが入った状態

アドブリッジ

 

裏側

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エックス線写真(白く映っている所がつながった被せです)

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この時点から歯肉の腫脹などの炎症症状が起きないようにフロス等を使用して良好な歯周状態を作っていく事はインプラント埋入前からの絶対条件になります。

矯正治療終了後から10年後インプラント埋入手術を行いました。

最終上部構造セット直後

ファイナルセット時

仮の上部構造の段階から歯ブラシの毛先をあてる部位や動かし方、フロスの練習も患者さんと一緒に行っていたので歯肉状態は良好でスムーズに最終上部構造セットへとすすみました。

 

5年後です。歯垢が赤く染まる染色液を塗布し磨き残りの確認を行いました。最近はフロスをしない日もあるとの事で今回のメンテナンスを機に再開していただき、メンテナンスでもフロスを使用しました。また肉眼では見えないデンタルバイオフィルム(歯周病原細菌を含んだ細菌の巣窟)を専用の器械を用いて除去しました。出血や動揺も認められず良好な状態を維持されています。

5年後

 

最終上部構造セット後から5年、初診時からは21年が経過し生活環境の変化もありながらきちんとメンテナンスに通って下さってます。その間1本も天然歯を抜髄(歯の神経を除去する治療)や抜歯する事無く安定した咬み合わせをキープされていて食事や発音に全く違和感が無いとの事です。