抜歯即時埋入後継続したメンテナンスを行い良好な審美を維持している症例
今月で上部構造セット後3年が経過した患者様です。
当初被せが入っていた左上の前歯ですが歯の根が破折されており抜歯を行う事になった時、
その後の治療法として両隣の天然歯に負担のかからないインプラントを選択されました。
こちらの患者様はこれまでも定期的なメンテナンスに通われてた為口腔内環境が安定していたので抜歯した日に抜歯窩(抜歯した歯があったくぼみ)に直接インプラントを埋入する「抜歯即時埋入処置」を行いました。
破折した根の状態
残根を抜歯した状態
くぼみが出来ます
このくぼみに骨補填剤を填入しインプラントを埋入します。
抜歯即時埋入処置は抜歯とインプラント埋入が1度で行えるため患者さんの負担も少なく抜歯窩に埋入する事で骨を触る量が少なくなるので術後の腫れや痛みが起こりにくくなる利点があります。今までのきちんとしたケアで感染リスクの少ない口腔内環境を作っておられたからこそスムーズに処置をすすめる事が出来ました。
上部構造セット後
上顎の前歯は大変目立ちやすい部位なので歯肉に炎症症状が起きないように型取りの段階から口腔内全体のブラッシング指導を行っていきました。
隣の歯もインプラントと同じ材質の被せに作り変えたので違和感も無く歯肉の形も綺麗です。
普段から歯ブラシ以外に歯間ブラシも使用されていらっしゃったので引き締まった良好な歯肉が出来ています。
3年後
変わらず3ケ月に一度のメンテナンスも続けてくださっています。
歯ブラシはある程度「コシ」のある物を選びました。
横磨きに力を入れてしまうと歯肉が傷付きやすくなるので力加減に注意すること、縦磨きで隣接する天然歯との接触部位の凹みに溜まる歯垢を除去する事をお伝えしました。
歯ブラシは握り締めると力が入ってしまうので鉛筆を持つような持ち方で歯ブラシを握ります。
「鉛筆持ち」で歯ブラシを握ると小刻みに動かしやすいので歯1本~2本づつ磨くようにブラッシングしていきます。なので全ての歯を丁寧に磨こうと思うと結構時間がかかるのです。時間がかけられない時もあると思いますが正しい磨き方を理解して習慣にしていく事でインプラントを長期維持する事が可能になります。
慌しく磨く「バタバタ磨き」が習慣になってしまうのは口腔内全体の環境を悪化させます。
今回の患者様は術前後もきちんと丁寧に磨かれた結果、安定を保たれている症例でした。